「 月 」
月は人を惑わすとは、よく言ったものだ。
私は隣にいる薬売りさんを盗み見て、そう思った。
きらきらと月光に照らされ、何時もよりもさらに色香が漂う。
「綺麗・・・。」
無意識の内に出ていた言葉にはっとして、口を押さえる。
薬売りさんはちらりと私を見るとまた視線を戻す。
―――良かった。
そう思ったのも束の間。
世界が反転した。
「綺麗なのは・・・の方 だ。」
そう言うと舌を首筋に這わす。
頬を指が滑る。
それだけなのに熱が身体の奥から沸き起こる。
薬売りさんに触られれば触られるだけ、熱が全身に広がる。
「やぁ・・・っ。駄目っ。」
自分の声に欲情する。
「なにが・・・。駄目だと?」
薬売りさんの声にさらに欲情する。
やわやわと双丘を揉んだかと思うと、きゅっと頂点の果実を摘む。
「、声を・・・抑えるな。」
そんな事言われても。
―――だって、恥ずかしいから。
快感に耐える様に唇を噛み締める。
すると、つ、つ、つ、と薬売りさんの美しい指が私の赤い唇をなぞった。
「ふっ・・・ん・・・。」
と思ったら無理矢理、口内にその指を入れる。
「指を・・・噛まない様 気をつけるんだな。 ?」
「そっ・・・んな、あぅ。」
薬売りの指が巧みに私の身体を這う。
その度に声が漏れる。
それがさらに私を快楽へと堕としていく。
くちゅりと水音がした。
びくりと跳ねる私の身体。
「もう、こんなにも・・・濡れて いるぞ?」
薬売りさんの指が動く度にびくり、びくり、と魚の様に跳ねる身体。
しかし、決定的な快楽へと薬売りさんは導いてくれない。
焦らす様に指を動かす。
時折、良い部分を刺激するがそれも長くは続かず、直ぐに去る。
「お、願・っん・・も、う、駄目な、の。ぁあ。」
「まだ・・・駄目 だ。」
にやりと笑ったかと思うと下で動いていた手をぴたりと止める。
「っ・・・え?」
そして私から少し離れた所に座り込んだ。
「そんなにも 良くなりたいなら。自身で 好きな箇所を・・・触れれば、いい。」
薬売りさんの言葉に、言葉を失った。
未だ醒めない熱。
薬売りさんの視線。
疼く身体。
くちゅりと音発つ。
「んっ・・あぁ、ぅ・・・ふあぁん。」
恥じらいなど当に消え去り、私は快楽を貪る。
「あ、あ、あぁぁぁあ!」
一際甲高い声を出すと、薬売りさんが動いた。
「随分、はしたない事を するんだな。」
「はぁ、っ、はぁ。」
息がきれ、上手く言葉を発する事が出来ない。
薬売りさんは私の腰を持ち上げると一気に最奥まで自身を埋めた。
「あぁぁあぁ!!」
達したばかりで、治まらぬ快感がまたも押し寄せる。
「あんな、姿を・・・見せられたら 俺も 我慢出来んよ。」
戸惑いなく、奥を射抜かれ声にならぬ声が口から漏れる。
涙が溢れる。
私は無意識の内に薬売りさんの首に手を回した。
それを合図に薬売りさんは、さらに激しく抽挿を繰り返す。
「ひっあぁ!ーーーーっ!!」
ぎゅっと内部が縮む。
「くっ。」
薬売りさんは、眉をひそめると勢いよく抜き、私のお腹に白濁の液体を掛けた。
「はぁ、ん、べとべと・・・。」
汗と互いの液体で身体中がべとべとする。
そんな私の頭を薬売りは、撫でる。
「一眠り、しようか。」
「ん。」
私達は、抱き合って眠りについた。
そんな私達をお月様は優しく照らしていた。
「 月 」
あとがき
どうしても、鬼畜気味薬売りになってしまうマジック(何)
エロさが足りない気がする・・・。
精進します;;