「今日から私たちが家族だよ。」

そう言われたのは、どれだけ前のことだっけ?




















「 トクベツ家族 」




















お姉ちゃーん!!」

下の階から私を呼ぶ大きな可愛らしい声が聞こえてくる。

早く行ってあげないとうるさいんだよね。あの二人。

トントントンと階段を下りていけば、ドスン!

お腹に鈍い痛み。

どうやら二人に勢いよく抱きつかれたようだ。

ちょっと今、内臓出そうだったけど。

「どうしたの?リン?レン?」

二人の黄色の髪を撫でてやれば同時に顔をあげて、

「レンがお姉ちゃんの特別は自分だって!」
「リンがお姉ちゃんの特別は自分だって!」

と綺麗に声をハモらせて言った。

何、この可愛い子達。

「リンの方が特別だよね?」

「僕の方が特別でしょ?」

うるうると瞳を潤ませて私を見つめるリンとレン。

う、そんなで目で見つめられたらお姉ちゃん、おかしくなっちゃうでしょ?!

ポスン。

不意に温かくなる背中。

「ミクもちゃんの特別がいい〜♪」

また可愛いのが来たよ。

「で、」

「誰が」

「特別なの?」

前からも後ろからも抱き締められて、身動きがとれない。

誰が“特別”って・・・。そんなの。

「コラ!が困ってるでしょ?!」

ベリっと私から三人を引き剥がしてくれたのは

「めーちゃん!」

頼れるお姉さんのめーちゃんことメイコだった。

「ありがとう、めーちゃん」

そう言ったら、ぎゅっと抱き締められた。

ちょ、めーちゃん!む、む、胸が顔に当たってます!!

「メイコお姉ちゃんだけズルイ!!」

そのリンの言葉を合図にまた私に抱きついてこようとしてくる。

これじゃあ、さっきと一緒だよ!

「ストップ!ストップ!」

とりあえず、皆に離れてもらう。

「だから・・・なんだっけ?」

あーもう、皆がいろいろ言うから忘れちゃったじゃん。

「誰が特別か、という話であろう。」

急に後ろから抱き締められて耳元で言われ、不覚にも背筋がゾクリとした。

クッ・・・いつもはナス、ナス言ってるけどさすがボカロ!

声がもろ腰にクるんだよーー!!!

顔に熱が集まっていくのが自分でよく分かる。

「顔を朱に染めて・・・は可愛らしいな・・・。」

ちょっ、髪にキスするな!腰を引き寄せるな!きゃーーーーーーーっ!!!

パニックで身動きが取れない。

どうしよう!!どうするんだ!私!!

ガンっ!!

刹那、がくぽは地に伏せ・・・え?

に手ぇ出していいと思ってんの?」

レンくーん?お顔が怖いぞ!

「ロードローラーでぶっちぎりにしてほしいの?」

リンちゃん?!それまじで死ぬから!!

「ミクの特性ネギで首絞めてあげよーか?」

ミク?!可愛い顔して何怖い事言ってんの?!

「がくぽ・・・そんなに早死にしたいのね?」

メイコさん?!目が全っ然笑ってませんから!!

「ははは、落ち着くのだ・・・。」

「「「「問答無用!!!」」」」

・・・がくぽ、ご愁傷様。

・・・。」

名前を呼ばれて振り向けば、そこにはカイトがいた。

の特別って・・・誰?」

一番大人しくしてたカイトもやっぱり気になるのか。

「もう、なんで皆そんなに特別にこだわるの?」

「「「「「「そんなのが好きだから」」」」」」

皆、一様に声を揃えて言う言葉に胸の奥がじんわりと温かくなった。

「だから、誰がの特別なのか気になるんだよ。」

カイトにそう言われて、ついつい笑みが零れた。

「私の特別はね・・・。皆だよ?皆、大好きなんだもん。」

ぎゅっ。

暗くなる視界。

「オレものこと・・・大好き。」

直接カイトの温もりと匂いが伝わってきて。

あ、ボーカロイドなのにカイトもドキドキしてる。

が・・・好き。」

私の目を見つめながらそういうカイトにクラリと目眩。

ちゃんはミクのだからだめーっっ!!!!!」

良い雰囲気をぶち壊すミク。

・・・ってなにときめいてた?!私!!















わいわい、ガヤガヤ。

みんなみんな、私の大切で特別な家族。






















「カイトお兄ちゃん・・・調子乗りすぎなんだよゴラァ!」「ひぃっ!」「いつものリンじゃないっ!」










ボカロ夢、書いちゃったよ!!!!
ボカロ好きです。いいと思います!!
ここで我が家のボカロ達の説明。

カイト→基本ヘタレ、天然でドキっとする事を言ったりしたり。
メイコ→頼れるお姉さん。いつもマスター(ヒロイン)のことを第一に考えてる。
がくぽ→セクハラ魔。隙あらば手を出そうとする。
ミク →ちょっと馬鹿な子。マスターが大好き。純粋。リンとレンに対してはお姉ちゃんな一面も。
リン →マスターが大好きなちょっと腹黒い子。大人な世界も何故か知ってる。
レン →ちょっとしたツンデレっ子。リンに勝てない。敵はがくぽとカイト。
基本的に全員、マスターに対するスキンシップ激しめ。

オリジナル設定入ってたり、某笑顔動画の設定だったり、公式設定だったりです。